みなし制度:外勤をしてから内勤をした場合の労働時間数について

いつも大変お世話になっております。社会保険労務士法人きんかです。

今回は『直行で外勤をした後に内勤をした場合のみなし労働時間数の算出』についてお話させていただければと思います。どうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

 

当日の業務の具体的指示を受けたのち、指示どおりに業務に従事した場合

訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、指示どおりに業務に従事してその後事業場に戻る場合については、みなし制の適用はないとしています。(行政解釈:昭和63年1月1日基発1号)

この場合においては、事前に具体的な指示を受けたかどうかで判断するとしており、直行する場合にみなし制の適用がないわけではありません。

直行型の外勤を行い、その後内勤を行う場合について、みなし制の適用を前提にした労働時間の算定例を示す労働局のパンフレットも存在します。

 

労働時間の一部が事業場外労働である場合の基本的な算出方法については、まとめて「所定労働時間」とみなす場合と、「事業場内の労働時間に通常必要な時間」を加えた時間とみなす場合の2パターンがあると解されています。

 

外勤時間を何時間と『みなす』のか

直行型の外勤を行い、その後内勤を行う場合には、外勤の時間を何時間とみなすのかがポイントとなります。

行政解釈等では、外勤に「通常必要な時間」と内勤の実労働時間を合計して所定労働時間以内であれば、所定労働時間労働したものをみなし、合計して所定労働時間を超える場合には合算した時間働いたものとみなすとしています。

 

みなし時間には、所定労働時間通常必要な時間のほかに、労使協定で定めた時間の3種類があります。これらの通常必要な時間は、労使協定で定めた時間に置き換えることができます。

労使協定で定めることができるのは、事業場外で従事した業務を遂行するために必要とされる労働時間です。

労働時間の一部を事業場外で業務に従事する場合に、労使協定において事業場内で業務に従事した時間も含めて、その日に労働した時間を協定することはできませんので注意が必要です。

 

まとめ

会社は、事業場外みなし労働時間制を正しく理解し、適用について判断をしなければ、労働者の労働時間や給与が実態とかけ離れてしまうおそれがあります。

また、事業場外みなし労働時間制であっても、過剰な長時間労働は正当化できません。長時間労働は、労働者に身体的・精神的負担を負わせるものです。

事業場外みなし労働時間制が適用される業務についても、今一度業務の内容等を見直すことによって、常に適正な労務管理に努めることをお勧めします。

 

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