求職者等への職場情報提供にあたっての手引き

いつも大変お世話になっております。社会保険労務士法人きんかです。

厚生労働省は、このたび「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」を策定し、これを公表しました。同省は、求職者等と企業等のよりよいマッチングの促進に向けて、この手引を幅広く周知していくこととしています。その基本的な考え方などを確認しておきましょう。

 

求職者等への職場情報提供に当たっての手引の概要

① 基本的な考え方

人口減少による労働供給制約の下、個人の働き方へのニーズが多様化する中で、休職者等と企業等のミスマッチを解消し、希望する者への円滑な労働移動を促進するため、職場情報が適切に提供されることが必要となります。

求職者用への職場情報の提供は、就職後の早期離職を防止し、企業等における人手不足の解消や生産性の向上に寄与すると考えられます。

 

企業等における職場情報の提供にあたっての課題や対応策、労働関係法令等において定められている開示項目を整理しておくことが必要となります。

 

② 労働関係法令等における開示と提供項目等について

労働関係法令等による企業等の情報開示項目を以下の3つにわけて整理していく必要があります。

労働者の募集にあたり開示・提供するもの

労働条件(職業安定法)、募集・採用状況や職業能力の開発・向上及び職場定着の促進に関する取り組み状況(若者雇用促進法)がどのようになっているか

労働者の募集の有無にかかわらず定期的な公表が求められるもの又は、公表することが望ましいとされているもの

中途採用者数の割合(労働施策総合推進法)、育児休業の取得状況(育児介護休業法)、プラチナくるみん取得企業の次世代育成支援対策の実施状況(次世代育成支援対策推進法)、助成の活躍状況(女性活躍推進法)等の割合を算出し、現状の把握をしましょう

資本市場において公表する非財務情報(人的資本関係)

人材育成・社内環境整備の方針、女性管理職比率等(企業内容等の開示に関する内閣府令)等のとりまとめ

 

③求職者等が開示・提供を求めている情報について

求職者等が開示・提供を求める情報の内容例は以下の通りとなります。一度目を通していただき、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。

企業・業務に関する情報

企業の安定性、事業・業務内容、習得できるスキルや入社後のキャリアパス

環境に関する情報、労働条件など

在宅勤務、テレワーク、副業・兼業の可否、女性の活躍状況、育児休業等の取得状況、短時間勤務等の有無

その他

転職者の場合は、経験者採用等の割合・離職率、研修制度等

非正規雇用労働者の場合は、就職後のキャリア形成、正社員転換制度の有無、実績等

提供する情報の単位

ミスマッチ防止の観点から、所属する予定の部署や担当する予定のプロジェクトチーム単位等での情報であることが望ましいとされています。

 

まとめ

個人のニーズが多様化する中、労働者とのミスマッチの防止や人手不足の解消に向けて、職場情報を適切に開示・提供することが有効と考えられ、よりよい採用活動のための参考となるよう策定されたのが、この手引です。

厚生労働省は、入社前後の職場に対する印象のギャップを解消することで、労働者の離職率低下やエンゲージメント向上の一助となることが期待できるとしています。

以上が、求職者等への職場情報提供に当たっての手引の概要になります。厚生労働省のリーフレットもございますので、是非一度参考にしていただければ幸いです。

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