厚生労働省より令和6年度「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンの実施が発表されました。

全国の大学生等を対象として、特に多くの新入学生がアルバイトを始める4月から7月までの間、自らの労働条件の確認を促すことなどを目的としたキャンペーンを実施しています。
キャンペーンは平成27年度より実施されており、本年で10回目で詳細については以下の通りとなります。
雇い始めてから、「最初の話と違う」といったトラブルが起こらないように、会社から労働条件通知書などの書面を交付し、労働条件を明示する必要があります。 特に次の7 項目については必ず書面で明示しなければなりません。※労働者が希望した場合には、メール、FAX 等 (印刷できるもの)による明示も可能です。
大学生等に対するアルバイトに関する意識調査 (平成27年厚生労働省実施) では、「試験の準備期間や試験期間中に休めなかったり、授業に出られないほどのシフトを入れられた、または変更された」といった回答が多くみられました。
学生は学業が本分であり、学業とアルバイトが適切な形で両立できる環境を整えるよう配慮する必要があります。
採用時に合意したシフトの変更などの労働契約の内容の変更については、労働契約法第8条により労働者と使用者の合意が必要であり、使用者が一方的に急なシフト変更を命じることはできません。
アルバイトであっても、労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録する必要があります。
就業を命じた業務に必要な準備や片付けの時間、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練を受講していた時間も労働時間となります。
また原則として労働時間の端数は1分でも切り捨てることはできません。
アルバイトにも残業手当の支払いは必要となります。
アルバイトが希望していないのに商品を強制的に購入させることはできません。
アルバイト本人が希望して商品を購入した場合でも、賃金から労使協定なしに一方的に商品代金を差し引くことは労働基準法違反です。
遅刻を繰り返すなどにより職場の秩序を乱すなどの規律違反をしたことへの制裁として、就業規則に基づいて、本来受けるべき賃金の一部を減額する場合でもあっても無制限に減給することはできません。
1回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはなりませんし、また、複数にわたって規律違反をしたとしても、減給の総額が一賃金支払期における金額の10分の1以下でなくてはなりません。
今回10回目となるキャンペーンということで、既にご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、学生アルバイト雇用だからといって労働基準法が適用されないというわけではありません。
大学でのキャンペーンチラシの張り出しや配布がされたり、相談窓口への案内も記載もあります。また近年の労働問題については若者の方がそういった情報を敏感に察知する動きも強いです。
これからの時期はアルバイトを始める学生が増えてくるタイミングとなりますので、学生アルバイトとの無用なトラブルを避けるためにも是非参考にしていただけますと幸いです。
社会保険労務士法人きんかではアルバイトに対しての就業規則の整備や労使協定の締結提案等のご相談を承っております。新規雇用に対しての助成金活用提案も随時させていただくと同時に、さまざまな労務相談にお答えさせていただきます。
助成金活用につきましては下記リンクより受給できる可能性のある助成金診断も行っておりますので、もしよろしければご活用ください。なお、助成金診断ツールにつきましては弊社より後日ご連絡をさせていただく場合があります。予めご了承ください。
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