各控除項目を一括で控除明記してもよいか

いつも大変お世話になっております。社会保険労務士法人きんかです。

社会保険料や雇用保険料を給与明細に記載する際には一括で控除してもよいのか、という質問に対して今回はお答えしていこうと思います。

どうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

 

給与明細の内訳記載について

本来、給与明細の控除欄には『健康保険料』『厚生年金保険料』『雇用保険料』等の控除項目の一覧が並んでいます。

これら内訳の明示をせずひとまとめに表示してもよいか、についてまずお答えさせていただくと、内訳の表示は必要です、という回答をさせていただくことになります。

 

そもそも事業主は、健康保険法や厚生年金法にもどついて、標準報酬月額や標準報酬翔斗額の保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければなりません。(健康保険法167条、厚生年金保険法84条)

40歳以上の介護保険法9条2号の被保険者は、標準報酬月額と標準報酬賞与額にそれぞれ介護保険料率を乗じた額と、健康保険の一般保険料額を合わせた額が保険料額となります。(健康保険法156条)

雇用保険料を控除する際も計算書を作成し、控除額を通知する必要があるのは社会保険料と同じです。(国税徴収法32条)

法的に決まった計算書の書式はありませんが、「他の社会保険料と一括した金額を記入することは許されない」と解されています。

 

まとめ

以上が給与控除の一括控除についてのお話でした。

各保険料や雇用保険料等の記載については明記しなければならない、ということがわかっていただけたのではないでしょうか?

クラウド給与計算ツールでは標準機能として実装されているものばかりの項目ですので、控除をひとくくりにして記載するのではなく、各項目に計算された金額を適切に記載するようにしましょう。

 

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