
出勤時にガチャンと打刻し、退勤時にもう一度。
タイムカードは、長らく勤怠管理の“象徴”でした。ですが近年は、ICカードやクラウド打刻、スマホアプリなど、管理方法が大きく変わっています。
「うちは小規模だから紙で十分」「システム化はコストがかかる」――そう思っている企業も多いはず。
しかし、労働基準法では労働時間の適正な把握が企業に義務づけられており、厚生労働省はタイムカード等の客観的記録を重視しています。
つまり、タイムカードの運用は単なる慣習ではなく、法令遵守の根幹でもあるのです。
厚労省のガイドライン(「労働時間の適正な把握のためのガイドライン」)では、労働時間を把握する方法として以下が推奨されています。
ポイントは、客観的な記録であること。
自己申告制だけで管理している場合、不十分とされ、企業側に是正指導が入ることがあります。
タイムカードは単に「出勤・退勤時刻」を記録するだけでなく、次のような活用が求められます。
これらは給与計算の根拠であると同時に、万が一の労務トラブル(未払い残業代請求など)の際には証拠資料として重要になります。
紙のタイムカードのメリット・デメリット
デジタル管理(勤怠システム)のメリット・デメリット
中小企業でも近年はクラウド型の低コストシステムが増えており、「紙より安くて便利」というケースも少なくありません。
労働時間を正しく記録していないと、企業は大きなリスクを抱えることになります。
逆に言えば、タイムカードやシステムでの客観的な記録が整っていれば、企業防衛の力強い武器になります。
タイムカードは単なる“出退勤の記録”ではなく、労働時間管理の要です。
労基署対策・未払い残業リスク回避・社員の健康管理――どれをとっても、勤怠記録の精度が企業の信頼を左右します。
「紙のカードからシステムへ」移行するかどうかは企業規模やコスト次第ですが、いずれにせよ重要なのは、正確で客観的な記録を残すこと。
その意識を持つだけで、労務トラブルを大きく減らし、安心して働ける環境を作ることができます。
社会保険労務士法人きんかでは、会社の様々な労務トラブルのご相談から助成金の代理申請、給与計算代行など、幅広いサポートを行っております。
また現在ご利用中の就業規則が最新の法令に則しているかどうかを診断できるツールや、活用可能な助成金をチェックできるツールもご提供しておりますので、お時間ございましたら是非使用してみてください。なお、各種診断ツールにつきましては弊社より後日ご連絡をさせていただく場合があります。予めご了承ください。
助成金診断ツール / 就業規則診断ツール / 就業規則労務リスク判断ツール
|
500-8247 岐阜県岐阜市長森細畑1817-3 CAMINOビル2F TEL:058-216-3966 FAX:058-216-3965 MAIL:info@sr-nishida.com 受付時間:平日9時~17時 / 土日祝休
|
contents
出勤時にガチャンと打刻し、退勤時にもう一度。 タイムカードは、長らく勤怠管理の“象徴”でした。ですが近年は、ICカードやクラウド打刻、スマホアプリなど、管理方法が大きく変わっています。 「うちは小規模…
2025/11/03
コラム
働き方の自由度は高いが“魔法の制度”ではない 「裁量労働制を導入すれば、残業代を気にせず働かせられる」――そんな誤解を耳にすることがあります。 しかし、これは大きな間違い。裁量労働制はあくまで『一定の…
2025/10/31
コラム
近年、「社会保険の壁」という言葉がメディアや労務現場で頻繁に取り上げられています。 特にパート・アルバイト層にとっては、「106万円の壁」や「130万円の壁」が働き方を左右する要因となり、企業にとって…
2025/10/06
コラム
2025年10月から、全国で新しい最低賃金が順次スタートします。 今回の引き上げで全国平均は1,121円と過去最高となり、東京都は1,226円、大阪府は1,177円、愛知県は1,140円と、大都市を中…
2025/09/29
コラム
2025年10月から、健康保険の被扶養者認定に関する基準が変わります。対象となるのは19歳以上23歳未満の家族(配偶者を除く)で、これまで「年間収入130万円未満」とされてきた条件が「1…
2025/09/22
コラム
はじめに 制度が用意されても、実際に労働者が利用できなければ意味がありません。今回の改正に対応するには、労働者が制度を使いやすいように具体的な運用体制を整える必要があります。 本記事では、企業が準備す…
2025/09/16
コラム
Contact
ご質問やご相談などお気軽にご連絡ください。