有給休暇の取得を円滑にするために

年次有給休暇の取得を円滑にするために

ここでは年次有給休暇をスムーズに取得できるようにするために必要な対策をご紹介いたします。

そもそも有給休暇を取得しない理由をしては

といったことがあげられます。

有給休暇の取得をする際に「罪悪感は持たないように」と労働者全員に意識付けすることは難しいです。

ですので制度など具体的手段で解決していくのが良いでしょう。

 

対策① 休みやすい制度を作りましょう

まずは制度を作りましょう。

などの制度が必要です。また計画的付与制度(計画年休)を活用するのも手です。

基準日から1年以内に5日の有給が取れるように、ある期間につき1日などの目安を書いておいて取得状況を可視化してみましょう。

使用者、労働者両方が状況を把握し、基準日が近づいてから慌てて連続の有給を取るということも防げます。

取得し忘れをなくすこと、自分以外の人間も有給を取っていることがわかるため、徐々に有給消化ができるようになっていくはずです。

 

対策② 人員配置を見直しましょう

膨大な作業量と人手不足が原因で有給取得ができないケースも多いです。

膨大な作業量が問題であれば、その作業を一度見直し不要な部分をなくし負担が偏らないよう分けるような仕組みを整える、あるいは機械化して人の手がかからなくても良い状態にすることもできます。

また人材不足に関しても、機械化で必要人数自体を減らす、人の適切な配置を考え直すなどで改善が図れます。いきなり人員を増やすことも難しいですから、機械化・システム化などでカバーしながら人員の適切な配置を一度見直してみましょう。

 

対策③ ツールを導入して業務の効率化を図りましょう

業務量や人材不足などが原因で有給消化が進まない場合は業務効率化ツールを導入してみるのも良いでしょう。

オンラインでの営業を可能にするオンラインセールスツール、Web会議。多くの時間を消費する移動時間を削減することで大幅な業務効率化が図れます。

研修などもオンラインで受講してもらえれば、全国拠点に対して一気に同じ教育を行うことも可能です。

このようなツールを活用すればこれまで削れなかった時間を大幅に削減できます。

そしてその分の時間を他の業務にあてることで時短ができ、有給取得へとつながっていくでしょう。

 

対策④ フレックスタイム等の導入を進めましょう

同じ勤務地で9時~18時までなどと働き方を固定するのではなく、円滑に業務を遂行することができる環境があるのであれば、または整えられるのであれば労働者に合わせて「在宅勤務」をすすめたり、フレックスタイム制を取り入れて生活と業務との調和を図りながら、効率的に働くことができる体制を整えるのも一つの手です。

そういった柔軟性を持って働くことが良しとされる企業だとわかれば、有給消化へのハードルも下がるでしょう。

また自分の働きやすい環境で働くことにより、生産性が高まることも期待できます。

 

対策⑤ 働きやすい環境づくりを徹底しましょう

従業員が安心して働けるような職場作りを徹底していくことがなによりも重要です。

人間関係の悪さに悩み、離職をしてしまう従業員も少なくありません。

働きやすい職場では、このようなことが当然のものとしてあります。

従業員は意見や希望を尊重されることで「働きがい」を感じることができ、従業員と会社が共に成長していけるような会社は「働きやすい」会社といえるでしょう。

働きがいがないとされる会社では「働きがいがある」会社に比べ離職率の高さにも反映されます。
働きやすい環境を整えることにより、従業員の業務に対しての意識が向上し業務効率もあがる。業務効率が上がれば業務内容にもゆとりができ、有給休暇の取得もしやすくなる。

働きやすい制度、環境を整えるだけで得られるメリットは少なくはないでしょう。

 

まとめ

以上いくつかの対策を挙げてみました。

この中で一つでも取り組めるものがあればぜひ実践してみてください。

有給消化やワークライフバランスに力を入れれば、企業イメージや従業員のモチベーションアップにつながり、ひいては離職率の低下も期待できるはずです。

会社も従業員も気持ちよく働ける環境づくりをぜひしてみてください。

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